秋に山道でみかける白い可憐な花「マツカゼソウ」とは
9月から10月にかけて山の林縁で白い可憐な花をつけた植物を見かけることがあります。
日本在来の植物ですが、絶滅の方向ではなく、生育範囲を広げていて、大群落になっている様子も見ることができます。
この可憐な花「マツカゼソウ」といいます。
マツカゼソウの花言葉
マツカゼソウの花言葉は「ゆらめく恋心」だそうです。
林縁で可憐に咲く様子は「ゆらめく恋心」という花言葉は、よくマツカゼソウの様子を表現していると思います。
- マツカゼソウの花言葉:ゆらめく恋心
- 原産地:日本(本州:宮城県以南~九州)
- 分類:ミカン科マツカゼソウ属
- 花期:8月から10月
- 誕生花:
マツカゼソウは唯一の「ミカン科」草本類
マツカゼソウは「ミカン科」に属する唯一の「草花」です。
ミカン科の植物26種類ほどありますが、他のものが全て木になる「木本類」であるのに対して、このマツカゼソウだけは「ミカン科の草本類」です。
どうしてこのマツカゼソウだけが唯一ミカン科の草本類に分類したのかは、調べてみましたがわかりませんでした。
マツカゼソウの名前の由来
マツカゼソウは「松風草」と書きます。
なんとも風流な名前ですが、その名前の由来ははっきりしないようです。
牧野図鑑では、「草の姿に趣があるからだろう」という記載がありますし、深津正著の植物和名語源新考(八坂書房)では、「マツガエソウ:松枝草が転化したのではないか・・・」との記述がありました。
葉の出方に特徴があるマツカゼソウ
マツカゼソウの葉の出方は特徴的なのですぐに見分けることができると思います。
3回3出羽状複葉という葉の付き方で、小葉と呼ばれる小さな葉が集まって、ひとつの葉として考えられるものです。
マツカゼソウのような草本植物で、このような3回3出羽状複葉の形態のものは、それほど多くありません。
鹿も食べない独特な香りのマツカゼソウ
マツカゼソウ独特な臭気があるとされています。
その臭気のおかげでマツカゼソウは鹿にも食べられることがなく、生息域を広げているそうです。
マツカゼソウの独特な臭気は、柑橘系のさわやかな香りではなく、「サロメチールの嫌な香り」と表現している方もいらっしゃいます。