牧野植物園 11月 花 あの希少な植物を見逃すな。紅葉 温室内の見どころの植物紹介。

牧野植物園 11月 花 について紹介します。

牧野植物園 11月 花 と紅葉 温室内の見どころの植物 あの希少な植物も。花の少なくなってくる11月ですが、秋の牧野植物園も見どころ満載でした。中でも希少なあの植物も生で見ることができて感動しましたのでレポートしたいと思います。
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まずは牧野富太郎記念館の建築の見どころ

正門を入って最初に目に入ってくるのが、建築家の内藤廣氏が手掛けた、大きな円形の屋根を持つ独特な建築物、牧野富太郎記念館です。

環境保全型建築の優れた建築物として評価をうけ、第十三回村野藤吾賞をはじめ、数々の賞を受賞した建築物です。

ふんだんに取り入れられた木が、入場者をやさしく包み込みます。

当時の橋本大二郎知事の意向により、一部を除きほぼ全て高知県の樹木を使用して建築。

建物周りのウッドデッキは、高知県産材ヒノキのウッドデッキ。

木材でこのような円形屋根を作るには大変な労力が必要、一本一本全て加工図を制作したとのこと。

本当はもっと建築に「穴」をあけ、風が通って、空調が必要のない建物にしたかったそうですが、台風の際の風の強さを考慮すると、それはできなかったそうです。

それが、唯一の心残りだと内藤廣氏はのちに語っています。

設計:建築家 内藤 廣

内藤廣氏の主な設計した建築物:鳥羽海の博物館、安曇野ちひろ美術館、東京メトロ銀座線渋谷駅、とらや赤坂店ほか多数の公共建築 ふんだんに木材を利用した建築に特徴

▲あずみのちひろ美術館
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牧野植物園 11月 花 で残念ながら見られなかったもの

ゲンノショウコ

ゲンノショウコは薬草として江戸時代から利用されてきた植物。

服用するとたちまち効果があることから「現之証拠」という名前がついたそう。

実が熟すと割れて種をとばし、割れた実の形が神輿の屋根に似ることから「ミコシグサ」とも。

主に下痢止めや胃薬として処方されたそうです。

花期:7月から10月

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ジョウロウホトトギス

ジョウロウホトトギスは四国の太平洋側で見られるホトトギスの仲間

湿った崖などに自生していることが多いそうです。

高知県の固有種で、県の絶滅危惧種の指定を受けています。

牧野博士が23歳のときに日本で初めて横倉山で発見し、“宮中の貴婦人・上臈(ジョウロウ)”に例えて博士が名づけました。ジョウロウホトトギスは、牧野富太郎著『日本植物志図篇』第1巻・第1集の巻頭に掲載された植物です。

引用元:NHK高知放送局

ちなみに横倉山とは高知県と愛媛県を結ぶ国道33号線沿い、越知町の西側に位置する、古くから修験道の山として知られる山です。

牧野博士が研究の山としてさかんに出入りし、1300種類もの植物が自生しているそうです。

安徳天皇が隠れ住んだといわれる平家伝説から宮内庁管轄となっている同天皇の陵墓参考地があり、伝説が残る山。

引用元:越知町観光協会

朝ドラ「らんまん」の中では、主人公の牧野万太郎が、番組の冒頭で黄色い花に語り掛けるシーンがありますが、この黄色い花が「ジョウロウホトトギス」です。

▲撮影:2023年11月11日 花を見ることはできませんでした。

花期:8月から10月

牧野植物園 11月 花 で見られた花 希少なあの花も

ハナトリカブト

牧野植物園 11月 花 「トリカブト」
▲撮影:2023年11月11日 ギリギリ花を見ることができました。来週だと難しいかな。

花の形が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ていることから、「トリカブト」という名前がついたそうです。

一般的には猛毒のある植物として知られています。

上で紹介したゲンノソウコと葉っぱが似ていることから、あやまって食す場合もあったそうです。

根には致死性の猛毒があるため、間違って食べると、はきけ・めまい・呼吸困難などの中毒症状を引き起こし、場合によっては死に至る場合がある植物です。

根を乾燥させたものは、附子(生薬名は「ぶし」、毒に使うときは「ぶす」)使い方によっては漢方薬として使われることもあったそうです。

▲毒性については記載されていませんでした。薬草園に植えられているからかなぁ

不美人のことを「ブス」といいますが、このトリカブトの根を乾燥させた附子(ぶす)から来ているそうです。

附子をあやまって食し神経障害よって顔が著しく変貌した様子を「ブス」と称したと言われています。

ヤナギノギク

▲撮影:2023年11月11日 もうしばらくは楽しめそうです。

蛇紋岩地帯に多く見られるノギクの一種。

一般的には高知県の蛇紋岩地帯の固有種とされているそうです。

一般的なノギクに比べて葉が細く、一般的なキクの葉のイメージとは大きく異なります。

▲葉の形が一般的なキクとちがって繊細です。

高知県には高知市郊外をはじめ蛇紋岩地が多い.蛇紋岩地では土壌の貧栄養や乾燥によって形態が特殊化した植物が認められること,また,固有種や分布上興味深い種が多いことなどが報告されている

引用元:高知県の蛇紋岩地の植物と高知県立牧野植物園

 

ダルマギク

▲撮影:2023年11月11日 もうしばらく楽しめそうです。

海岸で一般的に見られる野生のキクです。

花の形が整っていて美しいので、園芸店でもよく販売されています。

海岸に強い植物の性質を残していて、葉は肉厚で毛が密生しています。

淡い紫色の花は可憐という言葉がぴったりと当てはまる秋の花の代表ともいえます。

シオギク(潮菊)

▲撮影:2023年11月11日 まだつぼみでした。

全国的には高知県の室戸あたりの東部の海岸線から徳島の南部の海岸線に掛けてのみ生育する珍しいキク。

交雑が進んで、固有のシオギクは少なくなっているそうです。

自生地では海岸の岩場に張り付くようにして咲いている姿が多くみられるそうです。

花色:黄色

花の特徴:花びらがない筒状花

ソナレノギク

牧野先生により栢島で新種として登録されたヤマジノギクの海岸性品種。

花は淡いピンク色の場合が多いということでしたが、園内で見たのは淡いブルーという印象です。

▲撮影2023年11月11日:園内のあちらこちらで見ることができましたが、もう散り掛けていました。

ソナレノギクとは磯馴野菊

ソナレノギクの「ソナレ」とは漢字で「磯野慣」と書くそうです。

潮風が吹きあたる厳しい環境の中で、この環境に適した携帯に変化して醇化したキクだそうです。

「磯」は「浜辺」よりもっとひどく潮風があたるそうで、こんな環境にでも耐えて咲くキクということで、牧野先生が命名したとのこと。

愛媛県では絶滅危惧種Ⅱ類に登録されているそうです。

秋にはなぜキク科の花が多いか

牧野植物園の秋の花を見ると、キク科の花が多いのがわかります。

なぜキク科の花は秋に咲くのでしょう。

実はキク科の植物は、冬の寒さに弱いものが多く、種の姿で冬を越そうとするからです。

夜の長さで寒さに向かうことを知るキク科の植物

キクの花の栽培で「電照菊」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

また、小学校か中学校の理科の授業で「キクは短日植物」という言葉を聞いた記憶があるかたもいるかもしれません。

キクは「日照時間が短くなると花を咲かせる短日植物」です。

日照時間が短くなるということは、だんだん寒くなることをキクは葉で関知するようです。

寒くなる前に種を残すために、花を咲かせるのが、キク科植物ということなんですね。

この習性を利用し、光のあたる時間を調整することで、キクの花を一年中出荷できるようにしているのが、「電照菊」という栽培方法なんですね。

ちなみに電照菊は花の時期を管理しやすいので、蕾のまま出荷して、お客さんの手元に届いたときに満開できれいな花の状態を楽しむことができるようにといった、調整も可能なのだそうです。

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