雑草対策 塩 は除草剤よりもからだに悪いので使ってはダメです。雑草対策のプロが解説。

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 雑草対策 塩 の毒性の目安。「LD50」という数値を知っていますか?

▲健康への悪影響を与える目安になる数値にSD50というものがあります。

食品や薬剤の毒性を表す指数「LD50」とは

食品や薬剤などが、健康に悪影響をあたえる目安の指数としてLD50という数値が使われます。

LD50とはMedian Lethal Dose, Lethal Dose 50の省略です。

以下、内閣府の食品安全委員会で説明されている内容です。

 化学物質の急性毒性の指標で、実験動物集団に経口投与等により投与した場合に、統計学的に、ある日数のうちに半数(50 %)を死亡させると推定される量(通常は物質量(mg/kg体重)で示す)のこと。LD50の値が小さいほど致死毒性が強いことを示す。

引用元:食品安全委員会(一部加筆)

食塩や除草剤にも、この「LD50」という数値が公表されています。

緑守
LD50の値が小さいほど毒性が強いということです。
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「除草剤」と「塩」その他の「食品」のLD50を比較してみよう

▲フグの毒「テトロドドキシン」のLD50は、0.0085(mg/kg)だそうです。

ここからは、代表的な除草剤のLD50と塩、そしてその他の代表的な食品のLD50の値について比較してみましょう。

食品・医薬品や天然物と農薬成分のLD50値の比較

くりかえしになりますが、

毒性の強さを示す指標は、実験動物に、試験物質を投与(経口、経皮の場合)した試験を基に、投与した動物の半数を死なせる量を、体重あたりの投与量(mg/kg)で示した「急性毒性半数致死量(LD50)」がよく使用されます。

引用元:農業工業会

すなわち、LD50値は値が小さいほど毒性が強いことになります。

緑守
もういちど言いますが、LD50は数値が小さいほど毒性が強いということです。数値の小さい食品に注目して下さいね。
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身近な食品や薬剤のLD50値の一覧表をグラフで見える化

身近にある食品や薬剤などのLD50値を抜粋して一覧表にまとめてみました。

▶表は右へスライドできます。

分類 主に含まれる食品・薬剤 検査対象物質 LD50値(mg/kg) 備考
天然毒素 食中毒原因菌 ボツリヌス毒素 0.000000032 _
天然毒素 フグ毒 テトロドトキシン 0.0085 _
医薬品 解熱剤等 アスピリン 400 _
食品等 タバコ ニコチン 24 _
食品等 トウガラシ カプサイシン 60 最低値
食品等 コーニー・茶 カフェイン 174 最低値
食品等 食塩 食塩 3000 最低値
農薬 殺虫剤 アセフェート 480 最低値
農薬 殺菌剤 イソプロチオラン 1350 _
農薬 除草剤 グリホサート 10537 最低値・(ラットメス)

表の数値をわかりやすくするために棒グラフにしてみました。

以下が上の表をグラフにしてみたものです(※)。

 雑草対策 塩 をグラフ化
▲しつこいですが数値が小さいほど毒性が強いということになります。

日頃から食べたり嗜好したりしているものでも、農薬よりも毒性が強いものがあることが、おわかりになると思います。

緑守
私もコーヒーやお茶に含まれるカフェインは、塩よりも毒性が強いので、びっくりしました。

(※数値は農業工業会より転用して記載しました。)

このグラフを見ると食塩のほうが除草剤の成分よりも毒性が強いことがお分かり頂けると思います。

このページのタイトル「雑草対策 塩 は除草剤よりもからだに悪いので使ってはダメです。」も理解頂けるのではないかと思います。

ペットへの健康被害を「塩の除草剤」と「一般的な除草剤」で比較してみよう

緑守
それでは具体的にペットへの健康被害を「塩の除草剤」と「一般的な除草剤」で比較してみましょう。
▲同じ量の塩と除草剤を撒いたら、塩を撒いたほうがペットには危険ということです。

仮にペットの体重を5キログラムとしたときに、どのくらいの量の「塩」と「除草剤」を食べるとLD50の数値を越えてしまうのか、具体的に計算してみましょう。

塩の場合

塩のLD50値は3000mg/kgです。

3000mg(LD50値)/kg✕5kg(犬の体重)=15,000mg=15グラム

緑守
体重5キロの犬であれば、なんと15グラムの塩を一度に摂取すると、LD50の閾値を越えてしまうんですね。
緑守
15グラムということは、大さじスプーンわずか一杯です。ちょっとびっくりしますね。

メジャーな除草剤「ラウンドアップ(グリホサート)」の場合

グリホサートのLD50値は、10537mg/kgです。

ラウンドアップマックスロードの場合、有効成分であるグリホサートの割合は、48パーセントです。

したがってラウンドアップマックスロードに換算すると、LD50値としては、

10537mg(LD50値・グリホサート)/kg÷48%(ラウンドアップの成分割合)=21952mg/kg(LD50値・ラウンドアップ換算)

21952mg(LD50値)/kg✕5kg(犬の体重)=109,762mg≒110グラム

緑守
ラウンドアップの場合、原液を110グラム一気に摂取してしまうと、体重5キロのペットに影響が出るということになります。
緑守
ただしこれは原液での計算ですから、実際に散布するときは、100倍に薄めて撒くので、さらにリスクは100分の一ということになりますね。

ラウンドアップ(原液)110グラムってどのくらい?

▲ラウンドアップの原液110グラム(=110ミリリットル)で何㎡撒けるでしょう。
緑守
ラウンドアップ原液110グラム(=110ミリリットル)で、どのくらいの広さを撒けるのでしょう?
下の表はラウンドアップのHPから引用してきたものです。
この表でわかるとおり、ラウンドアップ100ミリリットルで200㎡散布できます。
したがって110ミリリットルであれば220㎡散布できるということですね。
緑守
一般的なご家庭のお庭の広さを5m✕4m=20㎡とすると、110ミリリットルのラウンドアップは、お庭に10回散布できるということになりますね。
緑守
つまり、ペットがお庭全面を10回嘗め回してはじめて、健康被害が出るという量です。これはありえないですよね。除草剤の毒性というのは、このくらい低いということなんですね。

【次のページ】⇒ 雑草対策 塩 がおすすめできない。じゃあ「酢」の除草剤は安心して使用できるのか。

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