ビッグモーター 除草剤 街路樹衰弱の過程を確認。除草剤で街路樹が衰弱していく証拠写真。

ビッグモーター 除草剤 問題。

ビッグモータが街路樹に除草剤を撒いて枯らしたということが話題になっています。

▲明らかに除草剤を掛けた痕跡が見られます。(画像引用グーグルストリートビュー)

街路樹が除草剤で枯れるのか?

有識者が「除草剤では樹木は枯れない」と言っているなど、巷で話題になっているようです。

今回、緑地管理の仕事をしている筆者が、ビッグモーターの前の樹木が、除草剤で衰弱していく過程について確認をしたので紹介したいと思います。

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ビッグモータが使用した薬剤はグリホサートらしい

▲ドラッグストアーで販売されているグリホサート系除草剤

ビッグモーターの付近の土壌からグリホサートが検出されたという記事が出ていました。

どの除草剤をどう使ったのか、同社は明らかにしていない。ただ、昨年、街路樹17本が枯れているのが見つかった群馬県太田市の店舗の近くの土壌からは、県太田土木事務所の調査で、グリホサートという化学物質の成分が検出されたという。

引用元;yahooニュース

これに対して同記事の中で、有識者からグリホサートで樹木は影響は出にくいという記事も紹介されていました。

 農薬の毒性に詳しい本山直樹・千葉大学名誉教授によると、代表的な除草剤の有効成分は、雑草の茎や葉に付着して浸透して枯らす作用を持つ。散布後は短時間で土壌に吸着され、微生物により分解されて消失するので、樹木に影響しにくい特徴を持つという。

引用元;yahooニュース

グリホサートとはどんな除草剤

グリホサートというと、少し除草剤に詳しいと「ラウンドアップでしょ」と言われる方もいらっしゃるかと思います。

▲ラウンドアップとラウンドアップマックスロードは成分が異なります。

そして「海外で禁止されているでしょ」いう方もいらっしゃるかと思います。

ただ、これには少し間違いが含まれています。

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日本国内で使用されているラウンドアップマックスロードはラウンドアップとは成分が異なる

日本国内で使用されている「ラウンドアップ」とは、大抵の場合は「ラウンドアップマックスロード」のことを指します。

▲国内で「ラウンドアップ」といえば「ラウンドアップマックスロード」のことを指します。

本来の「ラウンドアップ」という除草剤は、国内では販売されていません。

なにが違うかというと、除草成分が異なります。

  • ラウンドアップの成分:グリホサートイソプロピルアミン塩
  • ラウンドアップマックスロード:グリホサートカリウム塩

海外で使用が禁止されているのは「グリホサートイソプロピルアミン塩」

▲海外で禁止されているのは「イソプロピルアミン塩」

海外で禁止されている国あるのは、「ラウンドアップ」であり「ラウンドアップマックスロード」ではありません。

日本国内で流通している「ラウンドアップマックスロード」は「ラウンドアップ」とは異なる成分です。

また、禁止されている国の数が多いわけではありません。

海外で禁止されているラウンドアップについての情報は、過去に詳しく紹介しましたので、よろしければご覧ください。⇒ラウンドアップはアメリカで禁止 されているのに、なぜおすすめするのか?質問に回答。

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このような理由から、厳密にいえば「海外で利用が禁止されているラウンドアップ」は国内で流通している「ラウンドアップマックスロード」と限定するのは、少々誤りがあるということです。

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グリホサートイソプロピルアミン塩が含まれている除草剤

ラウンドアップマックスロードの成分はグリホサートイソプロピルアミン塩ではありません。

ですが、国内で流通している除草剤の中には、このグリホサートイソプロピルアミン塩が含まれている除草剤もあります。

国内で流通している、グリホサートイソプロピルアミン塩が含まれている除草剤には次のような除草剤があります。

  • サンフーロン
  • グリホエースプロ
  • ネコソギシャワーなど

除草剤で樹木は枯れにくいが衰弱する樹木もある

上で紹介したヤフーニュースの中で、「除草剤は樹木影響しにくい」と書かれています。

確かに高木化する樹木(高さ5m以上に育つ樹木)に除草剤を掛ける(※)ことで枯れてしまうというのは、多くないと思います。

(※樹幹に穴をあけて除草剤の原液を入れたりすると、かなりの確率で枯らすことができますが、除草剤の適正な使用ではありません)

ただし、樹木の種類によっては、除草剤の影響が出やすく、次第に衰弱していくものもあります。

衰弱した樹木は伐採の対象になる

除草剤を樹木に掛けることで、高木性の樹木でも次第に衰弱していきます。

除草剤を葉に掛けると、掛った部分の葉は大抵茶色くなって枯れてしまいます。

樹木は葉が枯れると光合成ができなくなってしまいますから、栄養を供給することができなくなり、次第に衰弱していってしまいます。

とはいいながらも、樹木自体が枯れてしまうということはまれで、葉が落ちてもしばらくすると、また新芽が出てくる場合が多いです。

ただし、その新芽の状態のときに除草剤を掛けていくと、衰弱はさらに著しくなっていきます。

衰弱した樹木は、最近では植え替えることはあまり無く、大抵の場合伐採されることが多いのが現状です。

次のページ⇒ビッグモータの前の街路樹が除草剤で衰弱していく過程が確認できた。

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