植物の力だけでは雑草対策は無理。筆者が思いついた 「 雑草が生えない芝 」 工法とは
前のページで紹介したのは、筆者がお墓の前の空き地の雑草対策に失敗した事例の一旦です。
「おまえ雑草対策のプロじゃないのかよ」と言われると全く面目ないのですが、「除草剤を全く使わない雑草対策」というのは、正直、非常にハードルが高い課題なのです。
なんといっても公共の雑草対策の場合、効果的に除草剤を使い分けるのが主体で、その為の知識を持っていて、適切な提案をできることが重宝されるのです。
とはいいながらも、ここからは本題の「筆者が思いついた 【 雑草が生えない芝】 工法」について紹介していこうと思います。
除草剤を使わないで最も効果的な雑草対策は「防草シート」
強烈なお墓の前の空き地の雑草たち。
それはそうですよね。
周囲は自然が豊かで、様々な雑草の種が宙を舞い、しかも土の中からは様々な雑草の根っこが、隙あらば勢力を拡大しようと虎視眈々と狙っている状況なのですから。
このような「雑草の天国」の状態で、もっとも雑草が生えなくするコスパ最強の方法は「防草シート(※)」です。
(※コンクリートなどの構造物による雑草対策は省くとしてという意味です。)
ホームセンターや通販で簡単に購入できる防草シート
ホームセンターや通販で防草シートは簡単に購入することができます。
意外にもこの防草シートについて、一般的にはあまり知られていないようですね。
実際に、義理の母のお庭に防草シートで雑草対策をした際に「こんなに素晴らしいものがあるの知らなかったわ」と感激されたほどでした。
防草シートだとどうして雑草が生えないのか
ここで読者の方に質問です。
防草シートが雑草を生えなくする仕組みを考えたことがありますか?
「そりゃ、上からシートで被うんだから草も生えないだろうよ」と思われるかもしれません。
ですが、実は防草シートが雑草を抑える仕組みというのは、もっと根本的なところです。
どういうことかというと、防草シートの下で雑草は生きていくことができないで枯れてしまうということなんですね。
防草シートを敷いた二か月後の雑草はどのような状態になっているか
こちらの写真↓↓↓は、雑草だらけのところに、2か月間防草シートを敷いた様子です。
防草シートの下では、このように雑草は枯れてしまっているわけなんですね。
防草シートが抑えているから雑草が出てこないのではないのです。
防草シートの下では太陽光があたらないため、殆どの雑草は枯れてしまうのです。
なので、太陽光を遮るものであれば、ブルーシートでも雑草を抑える効果はあります。
ただしブルーシートの場合、全く透水性がないため水がたまり、害虫や悪臭の温床となるため、恒常的に使用するのはおすすめできません。
防草シートはコスパ最強の雑草対策だが見かけが悪い
防草シートは、確実に雑草対策に効果があるコスパ最高の雑草対策です。
ですが、お庭一面に防草シートがはってあったらどうでしょう。
これはちょっと味気ないお庭になってしまいますよね。
子供たちやペットも、こんな味気ない防草シートの上では楽しく遊ぶこともできないでしょう。
そこで思いついたのが、筆者が紹介する 「 雑草が生えない芝 」 工法なのです。
防草シートの上に芝生をはったらどうなるのだろう
筆者が紹介する 「 雑草が生えない芝 」 工法とは、種明かしをすれば単純な発想です。
上で紹介したとおり、防草シートは最強の雑草対策です。
値段もそれほど高くありません。
この防草シートの上に芝生をはったら「 雑草が生えない芝 」 にならないだろうかと発想したのです。
雑草が生えない芝 防草シートの効果で雑草は下からは生えてこない
防草シートの上に芝生を貼れば、理論的に考えれば、防草シートの下の雑草は防草シートに遮られて生えてこないはずです。
退治の難しい多年草雑草も、防草シートの下では弱々しく状態のままです。
太陽光が当たらなければ、防草シートのおかげで、「 雑草が生えない芝 」 になるはずです。
雑草が生えない芝 では、防草シートの選び方に気を付ける必要あり
地面から生えてくる雑草は防草シートで抑えることができます。
では、風で運ばれてきた雑草の種や、周りから侵入してくる雑草はどうでしょう。
確かに雑草の種や周囲から侵入してくる雑草は芝生の中に生えてくるかもしれません。
ですが、これについては防草シートの選び方で、対策をすることができます。
クロスシートだと雑草の根が突き抜ける
防草シートには大きく分けて2種類の防草シートがあります。
クロスシート型防草シートと不織布型防草シートです。
(1)クロスシート(織布型防草シート)
クロスシートとは繊維を織って編み合わせて製造している防草シートのことです。
繊維を織っているので、微細な編み目があります。
編み目があるので、細くて強い雑草の場合、網目を突き抜けるとして紹介されているものもあります。
価格的にはクロスシートのほうが安価という例が多いようです。
(2)不織布防草シート
不織布防草シートとは、名前のとおり繊維を織っていない防草シートです。
防草シートの細かな繊維を熱によって溶着しています。
したがって、不織布防草シートは編み目がなく、雑草が突き抜けることが少ないとされています。
クロスシートと比較すると、価格が高くなる傾向があります。
2種類の防草シートを比較してみた
「 雑草が生えない芝 」 を実践するまえに、サンプル試験を実施してみました。
□1m✕1mのクロスシート型防草シートと不織布防草シートを準備し、その上に芝生をはってみたのです。
写真の真中が芝生で、周囲は敢えて土の状態にしてみました。
土のままの状態で残したのは、雑草の侵入の様子を観察しようと思ったためです。
そうすると興味深い結果になりました。
クロスシート型防草シートと不織布型防草シートでは、雑草の侵入の仕方に差が見られたのです。
驚いたことにクロスシートでは、雑草の根が簡単に、網目を通り抜けて防草シートの下の土に根を下ろす様子が観察されたのです。
このことから、「 雑草が生えない芝 」 工法の場合、防草シートは不織布防草シートを使用することが必須だと実感しました。
不織布防草シートの場合、雑草の種が飛んできて根を下ろしたとしても、防草シートの上で根が留まるため、簡単に抜くことができるからです。
【次のページ】「 雑草が生えない芝 」 工法はDIYで簡単に設置できる。具体的に準備するものは?設置するときの注意点は?