芝生の中のスギナを枯らす除草剤 MCPPには注意しましょう。
使い方を間違えると芝生まで枯れてしまったり、お金の無駄遣いになってしまうかもしれません。
芝生の中のスギナを枯らす除草剤とは
「芝生 スギナ 除草剤」といったキーワードで検索すると、次のような除草剤がヒットします。
- MCPP
- ザイトロン
- シバゲン
- 芝生に使える除草剤
- グリーンアージラン
検索で表示された除草剤は、芝生の中のスギナを枯らす除草剤だと思いますよね。
ですがご用心。
これらの「芝生 スギナ 除草剤」で表示された除草剤、使い方を間違うと芝生まで枯れてしまいます。
今回はこれらのスギナを枯らす除草剤の中でも長い実績のあるMCPPについて、間違った使い方をしないための注意点を紹介しようと思います。
一年生広葉雑草を強力に枯らすMCPP
MCPPが得意とするのは一年で種を残して枯れてしまう葉っぱの幅の広い雑草(一年生広葉雑草といいます)に効果があります。
芝生の中に生えてくる一年生広葉雑草の代表的なものには、以下のようなものがあります。
ヒメジョン、ブタクサ、ヤハズソウ、ツユクサ、ホトケノザ、カラスノエンドウ・・・
これに対してスギナやクローバーは一年で枯れる雑草の仲間ではありません。
スギナやクローバーは、何年も生育する雑草で「多年生雑草」といいます、
ですが、MCPPは特異的にスギナやクローバーに効果があります。
MCPPは葉や茎に掛けて使う
MCPPは葉っぱや茎に掛けて使う茎葉処理除草剤です。
茎葉処理除草剤は葉や茎に掛けて使うことで、葉や茎から浸透して根まで到達して、雑草を枯らす効果を発揮します。
除草剤でよく知られているラウンドアップも茎葉処理除草剤です。
この茎葉処理除草剤に対して、地面に浸透して効果を発揮する土壌処理除草剤というものがあります。
土壌処理除草剤は、土から発芽する雑草を抑える効果があり、予備的に散布することで効果的に雑草を抑えることができます。
ですが、MCPPは土に撒く除草剤(土壌処理剤)とは違い、土から生えてくる雑草を抑える効果はありません。
したがってスギナが生える前に散布しても効果はありませんので注意しましょう。
薄める倍率を間違えると芝生の中のスギナは枯れないMCPP
MCPPはゴルフ場などで長年の実績がある、芝生の中の雑草に効果のある除草剤です。
一般的に対策がしにくいクローバーやスギナに効果があります。
ただしMCPPの場合、薄める倍率を間違えると「スギナは枯れない」ということになります。
MCPPをスギナへ使うとき希釈倍率
畑地一年生広葉雑草 | 500~1000ml/10a |
スギナ | 750~1000ml/10a |
除草剤を使用する場合、この散布量を守ることが大切です。
少ないとスギナが枯れませんし、多いと芝生が枯れてしまうことになります。
下段を見るとスギナに対しては10アール(=1000㎡)あたり、750ml~1000mlのMCPPを100リットル~200リットルの水に混ぜて散布しなければ効果はありません。
上段を見ると芝生の中の一年生広葉雑草に使用する場合は、500ml~1000mlのMCPPを100リットル~200リットルの水に混ぜて散布することとなっています。
したがって芝生の中のスギナを枯らしたい場合は、750ml~1000ml/10aあたり散布する必要があります。
庭面積を20㎡とした場合どのくらいのMCPPの薬量は?
上で紹介したのは、1000㎡あたりの場合のMCPPの使用量です。
10aとは1000平米ですので、自宅のお庭に使用する場合の量とすると、かなりけた違いの使用量となっています。
ではこれを一般的な住宅のお庭の面積にあてはめるとどのくらいの薬量でしょう。
仮にお庭の面積を5m✕4mの20㎡とした場合
750ml~1000ml/1000㎡✕20㎡=15ml~20ml
お庭の芝生で使用する場合、一回に必要なMCPPの量は、15~20ミリリットルということになります。
それではこのMCPP薬剤をどのくらいの水に溶かせばいいのでしょう。
これについては以下の計算式になります。
100リットル~200リットル/1000㎡✕20㎡=2リットルから4リットル
2リットルから4リットルの水に溶かして使うということになります。
イメージとしたら、大さじスプーン1杯分の薬を2リットルのお茶のペットボトルへ溶かすといったイメージですね。
通販で販売されているMCPP
通販などで購入できるMCPPは最低で500ミリリットルで2500円から3000円くらいです。
お庭の芝生のスギナ対策として使う場合15ミリリットルということでしたから、1本購入すると
500ミリリットル÷15ミリリットル=33回
33回使用できるということになります。
MCPPは年間で使用できる回数が3回と決まっていますから、これでは10年間使わなければならないということになります。
これは現実的ではないですね。
除草剤は開封したあとは、できるだけ冷暗所で保管して、なるべく早く使いきることが基本です。
開封後10年間も保管しておいて使用すべきものではありません。
芝生の中のスギナを枯らす除草剤 MCPPについてまとめ
芝生の中のスギナを枯らす除草剤 MCPPについて紹介しました。
除草剤は適正な使用量を守らなければ、効果がないばかりか、反対に芝生を枯らしてしまうことになります。
MCPPは通販やホームセンターで販売されているのは、最低でも500mlボトルですので、個人の家では使いきりません。
「芝生 スギナ 除草剤」で検索して上位に表示されたからといって、安易に購入するのはおすすめできません。
お庭の芝生にスギナが生えてきた場合は、他の薬剤の検討をすることをおすすめします。