芝生の雑草の種類を知ろう(2) | イネ科雑草対策はここに注意

芝生に生える雑草は、大きく分けて2種類あります。

 

一つ目は「広葉雑草」といい葉っぱの幅が広い雑草です。

この広葉雑草については、前回紹介しました。↓↓↓

芝生の雑草の種類を知ろう(1) | プロが教える芝生の除草剤選びのコツ

 

今回は、もう一つの芝生に生える雑草の種類を紹介します。

 

もう一つの種類の雑草は「イネ科雑草」といい、大雑把に言えば、葉っぱの幅が狭い、イネのような雑草です。

 

この「二種類」というのは、とっても大切で、「イネ科雑草」「広葉雑草」それぞれ、効果がある薬剤が異なるのです。

 

 

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イネ科雑草とは

イネ科雑草とは、お米の稲のような葉っぱをした雑草です。

 

イネ科雑草の特徴としては、葉っぱの筋(葉脈)が、並行して並んでいることに特徴があります。

 

ササもイネ科です。

このようなイネ科雑草の細く立った葉っぱの形は、様々な角度からの光を受けるのに有利と考えられるそうです。

 

広葉雑草の葉っぱが、葉脈を広く走らせて、太陽からの光を受けるのに適しているのに対して、イネ科雑草は地上で反射した光なども受けることができ、それによって光合成をすることができるそうです。

 

芝生で見られるイネ科雑草の種類

芝生の中で見られるイネ科雑草は、非常に沢山あります。綺麗な芝生をするためには、これらのイネ科雑草への対策が必須となります。ここからは、芝生の中でよく見られるイネ科雑草の種類について、説明したいと思います。

 

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チガヤ

チガヤの特徴

チガヤは茎も太く、根も株状になり、芝生に生えてくると厄介なイネ科雑草です。

 

多年生のチガヤは、日本の中でもトップクラスの繁殖力です。種子の他にも地下茎でどんどん繁殖するので、庭の芝生の中には、絶対に入って欲しくないのがチガヤです。

 

ですが、このチガヤ、緑地の管理人を専門にしている私たちにとっては、実はあまりお客様が出入りしないところの景観形成には、もってこいの雑草でもあります。

 

というのも、背丈はせいぜい50cmほどですし、5月頃に穂を付ける様子は、なかなか風情があって良いものです。

 

穂をつけたチガヤの景観は風情があります。

 

チガヤの穂

とはいいながらも、やっぱりお庭には入って欲しくない、イネ科雑草ですね。

 

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チガヤの対策

チガヤの対策ですが、とにかく早いうちに対策することが一番大切です。チガヤの見分け方としては、5月頃に穂をつけるので、この時期であれば見分けがつきやすでしょう。

 

この時期に、手で抜き取るのがもっとも効果的な方法ですが、除草剤をスポット的に使うという方法もあります。

 

チガヤ対策に除草剤を使うときの注意点

チガヤ対策の除草剤として、根まで枯らす除草剤を推奨しているサイトもありますが、私は推奨できません。

 

根まで枯らす除草材として、もっとも有名な除草剤であれば、ラウンドアップということになりますが、ラウンドアップは液状なので、周囲の芝生への影響が心配です。

 

ラウンドアップは、茎葉処理剤といい、植物の葉や茎に掛かったときに、植物内に吸収され効果を発揮します。

 

ラウンドアップは土に落ちたときは分解されてしまうので、根から吸収されることはありません。

 

つまり、周りの芝生にラウンドアップが掛かってしまったら、芝生は地下茎で繫がっていますので、芝生も広い範囲で枯れることになってしまいます。

 

ラウンドアップは周囲への影響が心配

チガヤ対策として、ラウンドアップを使用する場合は、刷毛等でチガヤの葉に、ラウンドアップを塗るなどの配慮が必要になります。

 

 

エノコログサ(ネコジャラシ)

エノコログサの特徴

 

ネコジャラシの名前で知られるエノコログサも、芝生の中で発生すると除草が厄介なイネ科雑草です。大量に種を付けるので、種を付ける前に抜き取るか、刈り取りが必要です。

 

エノコログサ対策の除草剤

エノコログサは一年生雑草なので、日本芝の中に生えてきた場合は、一年生雑草対策の除草剤が使用できます。

 

シバニードアップ粒剤が効果的に使用できます。

除草剤の形状 粒状
使える芝 コウライ芝・ノシバなどの日本芝
使用方法 粒をパラパラとまく
散布時期 雑草の丈が小さい時。一年生雑草は発芽前~初期成育段階
一年生イネ科雑草 オヒシバ、メヒシバ、スズメノカタビラ等の一年生イネ科雑草
多年生広葉雑草 オオアレチノギク、カラスノエンドウ等にも効果的
効果の持続 効果は3か月持続。
注意事項 高温期・芝生が弱っているときは使用不可。

 

 

スズメノカタビラ

スズメノカタビラの特徴

スズメノカタビラは、芝生に生える雑草の中で、もっとも代表的な雑草に一つです。とがった葉っぱの形をしていて、通常は高さ5cm~20cmくらいになります。一年生のイネ科雑草ですが、日当たりの良いところであれば、年中花をつけるので、あちらこちらから出て来て、根絶するのが大変な雑草です。

 

スズメノカタビラは一年草ということになっていますが、丈を低くして越年することもあります。踏圧にも強く、ゴルフ場のグリーンなどの人が良く歩くところでも、平気で生育するやっかいな雑草です。

 

スズメノカタビラに効果的な除草剤徴

シバニードアップ粒剤が効果的に使用できます。

除草剤の形状 粒状
使える芝 コウライ芝・ノシバなどの日本芝
使用方法 粒をパラパラとまく
散布時期 雑草の丈が小さい時。一年生雑草は発芽前~初期成育段階
一年生イネ科雑草 オヒシバ、メヒシバ、スズメノカタビラ等の一年生イネ科雑草
多年生広葉雑草 オオアレチノギク、カラスノエンドウ等にも効果的
効果の持続 効果は3か月持続。
注意事項 高温期・芝生が弱っているときは使用不可。

オヒシバ

オヒシバの特徴

オヒシバは、ぱっと見た目は、「幅が広い芝生」といった感じに見えます。

オヒシバは一年草で、春になると出てくるのですが、出始めのころは、それほど目立ちません。ですが数日もすると、ドーンという感じで大きくなってしまいます。

オヒシバによく似た雑草にメヒシバという雑草があります。

オヒシバが株になるのに対して、メヒシバは地下茎で増え、草むしりをしていても地下茎の途中で切れてしまい、根が残ってしまい、根絶はなかなか困難です。

 

オヒシバの除草剤

シバニードアップ粒剤が効果的に使用できます。

除草剤の形状 粒状
使える芝 コウライ芝・ノシバなどの日本芝
使用方法 粒をパラパラとまく
散布時期 雑草の丈が小さい時。一年生雑草は発芽前~初期成育段階
一年生イネ科雑草 オヒシバ、メヒシバ、スズメノカタビラ等の一年生イネ科雑草
多年生広葉雑草 オオアレチノギク、カラスノエンドウ等にも効果的
効果の持続 効果は3か月持続。
注意事項 高温期・芝生が弱っているときは使用不可。

 

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