加湿をきらうガーデンシクラメン。土壌の水はけを調べる簡単な診断方法とは?
ガーデンシクラメンは一般的なシクラメンと比較して、「耐寒性」と「耐病性」が改良されています。
とはいえ、やはり土壌の排水性(水はけ)が悪いと、次の3つの理由で、あまり望ましい状態とはいえません。
- 水はけが悪いと蒸れて病気を発症しやすくなる。
- 水はけが悪いと土の中の水分が凍って根を痛めやすくなる。
- 水はけが悪いと、根が腐りやすくなる。
ガーデンシクラメンを植える前には、土壌の排水性(水はけ)について、把握しておくことが大切です。
植物にとって土壌は「保水性」と「排水性」の両方が大切
植物にとっての土壌は「保水性(水持ち)」がよく、しかも「排水性(水はけ)」も良いという、相反する二つの性質が必要です。
この相反する性質のうち、「保水性(水持ち)を良くする」コントロールは容易です。
保水性をよくするためには、腐葉土や堆肥の自然の土壌改良材や、パーライト(真珠岩系)やバーミュキュライトなど鉱物性の改良材もあり、簡単に改良できます。
黒曜石パーライト 10L
ところが、「排水性(水はけ)」が悪い土の場合は、排水性を改良するためのは大変な手間が必要です。
そこでまずは、ガーデンシクラメンを植える前に、土壌の排水性について診断してみましょう。
土壌の排水性(水はけ)について簡単に診断する方法
土壌の排水性については簡単に診断することができます。
これからガーデンシクラメンを植えようとしている場所に、直径20cm深さ20cmほどの穴を掘ります。
その穴の3分の1ほどに水を入れます。
その水が数分で排水されるようであれば、排水性のよい土です。
もし10分以上も水が残っているようであれば、排水性が悪い土なので、なんらかの排水性を高めるための工夫が必要です。
土壌の排水性を改善する方法
土壌の排水性の悪さの度合いによって、対策は3つのレベルに分かれます。
上の試験をしてみて、1時間経っても水が抜けないようであれば、以下の「対策3」まで検討する必要があります。
その場合は大変な労力になるので、ガーデンシクラメンを地面に植えるのは諦めて、プランターへ植えて管理することをおすすめします。
対策1:土壌中の礫やコンクリート殻(がら)などを撤去する
ガーデンシクラメンを植えるには、明るくて雨があたらないところが最適です。
そうすると南向きの軒下は、ガーデンシクラメンを植えるのに最適な場所ということになります。
ところがこのような場所は、家をたてるときのコンクリートの殻や塊が埋まっていて、排水性を悪くしている場合があります。
小さな塊であればなんとか取り除くことができますが、大きな塊があって排水性が悪くなっている場合は、取り除くことは相当な労力となります。
そのような場合は、ガーデンシクラメンを植える場所は、他の場所を検討したほうがよいと思います。
対策2:土を盛り上げガーデンシクラメンを植える
加湿が苦手な植物の場合、土をもりあげて植えることがよくあります。
ラベンダーも加湿が大の苦手なので高植えをします。
これと同様にガーデンシクラメンを植えようとしているところの水はけが悪いようであれば、高植えにしてみましょう。
余分な水分は周辺に流れていくので、多少の水はけの悪さは解消できます。
対策3:土壌中に「暗渠管」と「排水桝」を設置する
上で紹介した試験をして1時間も水が抜けなかったり、雨のあと何時間も水溜まりになるようであれば、土壌全体の排水性を高める必要があります。
そのような場合は「暗渠排水」を「排水桝」までつないだり、地面に勾配をつけて、表面排水をすみやかに排水溝まで流れるようにするなどの土木的な方法が必要になります。
土木的な知識とかなりな力仕事になるので、このような場合は残念ながら露地植えはあきらめて、プランターへ植えることを考えたほうが良いと思います。