アツミゲシ 雑草対策 法律で栽培が禁止されているアツミゲシに効果のある除草剤

アツミゲシ 雑草対策

法律で栽培が禁止されているアツミゲシを効果的に除去する除草剤について紹介するページです。

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アツミゲシとは

アツミゲシとは国内では栽培が禁止されているケシです。

アツミゲシが禁止されているのは、アツミゲシから「アヘン」を抽出することができる(※)からです。

(※実際には抽出できる量は多くないそうです。)

アツミゲシについては、以前紹介しましたので、過去記事をご覧ください。

【過去記事】春に見つけた濃いピンク色の大きな花 その花はケシの花かもしれません。

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アツミゲシを見つけたら

アツミゲシを見つけたら、基本的には警察や保健所、都道府県の窓口(薬務課の場合が多いようである)へ届けることが基本です。

京都府では、薬物乱用を未然に防止するため、5月、6月の「不正大麻・けし撲滅運動」において、不正大麻・けしを発見し、除去するためのパトロールおよび取締を実施しています。
大麻・けしは、大麻取締法及びあへん法により、所持だけでなく栽培することも厳しく規制されています。
特に「けし」は、花が咲く春先頃から生育が確認されやすいことから、もし、見つけた場合は、そのまま抜かずに、府薬務課、府保健所または最寄りの警察署までお知らせください。

引用:PR TIMES

ただ私の仕事上公共の雑草対策を行う場合も多く、先日発見したアツミゲシを県の薬務課連絡したところ、「次回から見つけた場合は処分して頂いて大丈夫です」との言葉を頂いたので、忘備録としてアツミゲシに効果のある除草剤について、記録をしておこうと思い、このページを作成しています。

緑守
今回はありがとうございました。ところで次回からこのケシを見つけた場合は、やはり同じように連絡して、抜きにきて頂くという対応になりますか?
兼の担当者
現地の確認はしましたので、次回からは抜いて頂いて処分して頂いて結構です。
緑守
除草剤で退治しても良いのですか?
兼の担当者
除草剤で退治して頂いて大丈夫です。
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アツミゲシに効果のある除草剤

県の担当者からは「除草剤で枯らしてもいい」との回答を頂きましたので、アツミゲシに効果のある除草剤についてメーカーへ確認しました。

健のアツミゲシは広葉雑草(葉っぱの幅が広い雑草)なので、

  • 広葉雑草用の茎葉処理除草剤または土壌処理除草剤
  • 非選択性の除草剤(掛かったすべての雑草が枯れる除草剤)の茎葉処理除草剤または土壌処理除草剤

が、効果的だとの回答でした。

アツミゲシに効果のある代表的な広葉雑草用の除草剤

広葉雑草用の除草剤とは、葉っぱの広い雑草を選択的に枯らすことのできる除草剤です。

▲芝生の中に生えた広葉雑草のみ枯らすことができます。

広葉雑草用の除草剤の中にも大きく分けて二種類の除草剤があり、茎葉処理除草剤(葉や茎に掛って除草効果を発揮するもの)と土壌処理除草剤(土に落ちた種が発芽できないようにするもの)に分けられます。

広葉雑草用の除草剤は、芝生などのイネ科植物に対しては除草効果がありません。

従って、芝生などの中に生えている広葉雑草に対しては、芝生を枯らすことなく、除草効果を発揮することができます。

アツミゲシが生えている箇所の状況によって、裸地化するのを避ける場合は、こちらの広葉雑草用の除草剤を使用します。

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ザイトロン

  • 対象:一年生広葉雑草及びクローバー、チドメグサ等の多年生広葉雑草
  • 効果:茎葉処理除草剤

ザイトロン(ザイトロアミン液剤)は、イネ科と広葉雑草との間に選択性があり、広葉雑草に高い効果を示す除草剤です。

フェノキシ系のホルモン型、吸収移行型の除草剤で、難防除の多年生・宿根性の広葉雑草にも強い殺草効果があります。

茎葉処理除草剤なので、雑草の茎葉から吸収され、その生理機能を阻害して枯死させます。

従って、葉や茎がない状態(草刈り直後)などでは効果がありません。

除草効果は、遅くとも10~15日後には殺草効果が現れます。

ランケア顆粒水和剤

ランケア顆粒水和剤は、フルセトスルフロン50.0%という主成分が、強力に広葉雑草の発芽を抑えます。

希釈倍率によっては、強壮雑草として有名なクズの発芽も抑制します。

ランケアをアツミゲシの発芽対策として使用する場合は、アツミゲシの芽がでる前の8月から9月くらいまでです。

それ以降であれば、ランケアの効果はあまり期待できません。

アツミゲシが発芽してしまった後は、上で紹介したザイトロンが効果的です。

ショートキープ

  • 対象:一年生および多年生広葉雑草。スズメノカタビラ、メリケンカルカヤ
  • 効果:茎葉処理除草効果かつ成長抑制効果

ショートキープは草刈り軽減剤として人気の除草剤です。

散布した雑草の草丈を一定以上に伸ばさないという生育抑制作用を発揮する薬剤として人気の除草剤です。

製造メーカーは「成長抑制剤」という販売戦略をしていて、「除草剤」という売り方はしていないようですが、広葉雑草には効果を発揮する除草剤です。

ただし、上で紹介したザイトロンに比べると、除草効果のパンチ力は、劣る傾向があります。

シバゲン

  • 対象:一年生イネ科、カヤツリグサ科、一年生から多年生までの広葉雑草
  • 効果:茎葉処理除草効果かつ土壌処理除草効果

シバゲンはコウライ芝やノシバなど、日本芝と呼ばれる芝生の中で、効果的に他の雑草を枯らす効果が高い除草剤です。

有効成分フラザスルフロンにより、雑草の発生揃い期から生育初期で高い茎葉処理効果を示します。

また、処理後の雑草の発生を抑えることができ、雑草発生前~生育初期の幅広い時期に使用することができます。

土壌処理効果として、標準薬量0.02g/で春夏期で40日程度、秋冬期では120日程度雑草の発生を抑制します。

土壌処理効果もあるので、アツミゲシを除草したのち、落ちていた種からの発芽も抑制できます。

ただし薬剤メーカーによると、「発芽抑制効果はそれほど強くない」とのことでした。

アツミゲシに効果のある代表的な「非選択性」の除草剤

ラウンドアップマックスロード

  • 対象:すべての雑草
  • 効果:茎葉処理除草剤
  • ラウンドアップマックスロードAL3は土壌処理効果あり

ラウンドアップマックスロードシリーズは、国内でもっとも販売されている「非選択性の除草剤」です。

基本的には「葉や茎に掛った雑草だけを枯らす」という茎葉処理効果のある除草剤ですが、最近では「ラウンドアップマックスロードAL3」という商品も発売され、 土壌処理効果も含有した商品も販売されています。

ラウンドアップにつきましては、過去に何度か紹介していますので、そちらの記事をご覧ください。

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ネコソギ

  • 対象:すべての雑草
  • 効果:土壌処理除草剤

ネコソギは「長期間雑草を抑える」ということで、ラウンドアップとともにホームセンターで、人気のある除草剤です。

ネコソギは基本的に土壌処理効果により、雑草の発芽を長期にわたって抑えるので、アツミゲシの発芽を抑えることができます。

土に落ちた除草剤の成分は、雑草の根から吸収されます。除草成分は葉や茎まで移動し、光合成等の植物特有の生理代謝機能を妨げます。すると、雑草は生長のためのエネルギーをつくりだすことができず、やがて枯れてしまいます。

引用元:レインボー薬品

非選択性の除草剤を使用するときは注意が必要

アツミゲシが生えている場所が、「裸地化していいよ」という場所であれば、「非選択性」の除草剤が効果的です。

▲裸地化していいところであれば「非選択性の除草剤」が効果的です。

非選択性の除草剤とは「掛ったものすべての植物を枯らす」という除草剤ですので、使用には注意が必要です。

傾斜地などの「のり面」でこの「非選択性の除草剤」を使用すると、草はなにも生えなくなるため裸地化し、雨で土が流出し、下手をすると「のり面の崩壊」などに繋がる恐れがあります。

▲裸地化が進むとのり面の崩壊につながります。

非選択性の除草剤の使用には、十分注意をしてくださいね。

アツミゲシを雑草対策。除草剤を散布する時期は?

アツミゲシを除草剤で雑草対策をするには、効果的な時期に除草剤を散布する必要があります。

筆者の仕事の性質上「裸地化は避ける」という立場ですので、上で紹介した広葉雑草対策の除草剤を例に、アツミゲシに効果のある除草剤の散布時期について、アツミゲシの成長時期と見比べながら紹介します。

アツミゲシの発芽期前に土壌処理剤を散布

アツミゲシは秋に発芽して冬の間はロゼッタ状になって越冬します。

したがって発芽時期のひと月前(※)までには土壌処理除草剤の散布が必要です。

(※土壌処理除草剤が効果を発揮するまでひと月くらい掛かるため)

したがって、ランケア顆粒水和剤などの土壌処理除草剤に散布は、9月中旬までには完了させたいです。

また、あまり早く撒くと効果が切れてしまいますので、土壌処理除草剤の散布適期は9月が適期ということになります。

アツミゲシの生育期に茎葉処理剤を散布

土壌処理除草剤を散布して発芽を防除しても、散布むらなどで発芽してきて成長するものもあります。

これらについては、ザイトロンなど茎葉処理剤の散布を行います。

完全に駆逐するためには、秋と春の2回の散布が効果的です。

アツミゲシの葉の形はギザギザで葉が茎を巻くように出ているという特徴的なので、これに対して茎葉処理除草剤を散布するのが効果的です。

▲アツミゲシの葉はギザギザで葉柄がない特徴的です。

アツミゲシ 雑草対策 まとめ

たまたま筆者が監理している場所で、アツミゲシの発生があたので、アツミゲシ 雑草対策 ということで、除草剤について紹介しました。

以下、このページのまとめになります。

  • アツミゲシの生えている場所は、のり面などの明るい草地であることが多いため、のり面の崩壊を招かないためにも、非選択性の除草剤は使用しないほうが無難
  • アツミゲシを駆逐するためには、9月に土壌処理除草剤を散布し、生育期に2回の茎葉処理除草剤の散布が効果的

以上です。

なお、除草剤の散布については、3年間程度は継続することで、対象の雑草を駆逐することができます。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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